29歳から30歳になるとき、女性はどんな気持ちで過ごしているでしょうか。
自分が思い描いていた30歳に近づけていなくて不安になったり、人生での貴重な20代という期間が終わってしまうと絶望を感じたりと、達成感に満たされている人は少数です。
30歳はただの通過点でしかないのです。
なぜ30歳になった途端に成績表でも受け取るかのような切迫感があるのでしょうか。
しかもそれは自分自身の価値観で決められた絶対評価ではなく、周りと比較された相対評価になっているのです。
結婚・出産の進行度
多くの女性が30歳までにと望んでいることに結婚と出産があります。
- 20代のうちにウェディングドレスを着たい
- 30歳になる前に子供を産みたい
- 30歳になってから結婚相手を探すのは大変そう
- 30歳を過ぎると女としての価値がなくなる
- 30歳過ぎても働いていたらお局だと言われそう
これらは、20代の女性の会話の中で登場する人生設計や30代女性への価値観です。
20歳前後での結婚や出産に羨ましさはなく、早ければいいと思っているわけではないようです。
ある程度社会人を経験し、恋愛や趣味を楽しんでから遅すぎない年齢で結婚や出産をしたいと思っているのでしょう。
若い時にしかできないことがたくさんあるので、そこはしっかりと満喫してから世間の平均的なペースで人生のイベントを迎えることを理想としています。
『負け犬』という言葉が流行った2004年
30歳になると自分自身は何も変わっていなくても、周りの人の態度が変わってきます。
2004年の新語・流行語大賞にトップテン入りした『負け犬』は、30代以上の未婚で子供を持たない女性を指す言葉です。
この言葉が流行ってしまったせいで、独身で30歳を迎えることにネガティブなイメージがより強まってしまいました。
年齢を聞かれて答えたとき、29歳と30歳では相手の反応が違うことに気づくでしょう。
現在20代の人も、30代の独身女性が「結婚しないの?」「焦っているでしょ?」と言われ、陰では「仕事だけできても」「あんな風になりたくない」と言われてしまう場面を見たことがあるかと思います。
結婚していないと社会からこんなにもマイナスなイメージを持たれてしまうのかと驚き、あんな扱いをされるのは嫌だと「30歳までに結婚」という目標を立てるのでしょう。
しかし、30歳の時点で結婚しているかいないかで、他人や自分自身をかわいそうだと思うのは間違っています。
20代で結婚しても、その結婚が正解だったか失敗だったかわかるのは数十年後なのです。
高齢出産の定義が「30歳以上の初産婦」だった1990年
1991年から高齢出産の定義が「30歳以上の初産婦」が「30歳以上の初産、又は経産婦による40歳以上の出産」に変更になりました。
現在20代・30代の女性は母親が20代のときに生まれてる人が多いので、それが出産すべき年齢の目安になっていることもあるでしょう。
「今の私の年齢のとき、お母さんは子供がいたんだな」と考えたことがある女性も多いかと思います。
出産に関しては早すぎても遅すぎてもとやかく言う人がいます。
現代は20代半ばから30代前半の間が出産適齢期とされていますが、女性にとっては仕事が楽しくなってきたりキャリアを積む時期でもあります。
どのタイミングで子供を産んでも、子供を持たないことを選んでも尊重されることが当たり前になる時代がいつか来ると思います。
仕事のステータス
20代のときは多少の経済格差があっても、そこまで気にせずに友達でいられることができます。
結婚をすればみんな仕事を辞めるから同じステータスになると思い込んでいるからかもしれません。
むしろ寿退社で専業主婦になるのが勝ち組だといわれていた時代もありました。
しかし、30歳を前にして同年代より低収入であることや、非正規雇用であることに引け目を感じたり、結婚をしても共働きじゃないと生活ができないという現実にショックを受ける人もいます。
職業
公務員や大手企業などの安定した職場、資格を活かした堅実な仕事、華やかな業界の仕事などをうらやましいと思ったことはあるでしょうか。
そういった職業に就いている人は、数十年後の自分の生活を考えてその仕事を選んだり、努力して憧れの仕事に就いたりしています。
服装や髪形、休日が自由な職場にこだわって仕事を選んだり、勉強をすることを避けてきた人と差ができるのは当然のことです。
しかし、30歳を過ぎても転職は遅くないです。
通信制大学や看護学校に通い始めたり、士業の国家資格を取るために勉強をしている30代女性がたくさんいます。
40歳になってから「あのとき挑戦していたら……」と後悔するより、60歳を過ぎても働くことを想定して行動を起こしましょう。
雇用形態
30歳が近づいてくると、正社員として安定したお給料をもらうことや、リモートワークで自宅にいながら働ける仕事などをうらやましいと強く思い始めます。
10代・20代の頃は「どうせ結婚をしたら仕事を辞めるから、フリーターで構わない」と言っていた人が、結婚の機会を逃して自分の今後の人生を考えたときに焦りを感じ始めます。
正社員という肩書や、派遣だとしても高時給で働けるスキルが有ると無いとでは、収入が違うだけではなく将来への不安の大きさも変わります。
賃貸契約やクレジットカードの審査も、正社員や公務員であれば落ちることはほぼないでしょう。
生活の質も心の余裕も雇用形態のよって大きく影響するものです。
容姿のレベル
「同い年の友達よりは若く、きれいに見られたい」と誰もが思っているでしょう。
周りの人と自分を比べて自信を持ったり、惨めになったりと女性はいくつになってもそのような感情に振り回されます。
30歳になった瞬間にいきなり外見が劣化するわけではありません。
年齢を教えたら「30代に見えない!」というテンプレート発言に気をよくして調子に乗ってはいけません。
30代の外見は20代のときにどれくらいの努力をしてきたかによって大きく変わります。
30代の女性を見て、容姿のレベルに大きな個人差があることに気づいてほしいです。
スキンケアや体型管理を徹底し、メイクのテクニックやファッションセンスを磨くなど努力をしてきた人としていない人とでは大きな差があります。
まとめ
みんなが共通して望んでいることは「30歳の自分が幸せでいること」です。
30歳になる頃には個人差が生じているので、人と比べた時に状況や立場が違うのは当然のことです。
努力すべきことを怠ってきたのであればそれは自分の責任であって、努力した他人と比較して悲観したり妬んだりしてはいけません。
31歳になれば一年前の自分とは全く違う環境になっているということもあり得ます。
年齢をひとつの目安として人生設計をたてることは重要です。
成績表をつけるなら誰かと比べて決めた目標ではなく、自分のペースや価値観をベースにマイルストーンを設定しましょう。